カテゴリ:その他疾患

消化器編<子犬の下痢、放置しても大丈夫?飼い主が知るべき原因と対処法>

2025/01/18

はじめに

子犬が突然下痢をしてしまうと、「何が原因なんだろう?」と心配になりますよね。
下痢は一過性のものから、命に関わる病気のサインまで多岐にわたる原因が考えられます。
この記事では、子犬の下痢の原因、危険なサイン、そして正しい対処法を詳しく解説します。



1. 子犬の下痢の主な原因

① 胃腸の機能が未発達

  • 子犬はまだ胃腸の機能が未熟なため、消化力が弱く、便が緩くなりやすい傾向があります。
  • 特に新しい食事や刺激物が腸に入ると、下痢を引き起こしやすくなります。

② 食事に関連する原因

  • 急な食事の変更:新しいフードに切り替えた場合、消化器が対応できず下痢を引き起こすことがあります。
  • 食べ過ぎや不適切な食べ物:量が多すぎたり、人間用の食べ物を与えると消化不良を引き起こします。
  • 食事が合わない:ペットショップで使用しているフードを続けていても、子犬の体質に合わず下痢する場合があります。
  • 犬用おやつの注意点
    • 消化への負担:おやつは通常のフードに比べ、脂肪分や添加物が多い場合があり、子犬の消化器に負担をかけることがあります。
    • 少量でも注意:飼い主が「少量である」と考えて与えた量でも、子犬は体が小さいため相対的に負担が大きくなる可能性があります。
    • 製品表記の適量も過信しない:製品に記載されている「適量」であっても、子犬の体重や体質によっては与えすぎとなる場合があります。特に体重が軽い子犬では影響が顕著です。

③ ストレスや環境の変化

  • 新しい環境や家族:環境の変化や新しいペットの存在は、子犬にとって大きなストレスとなり、下痢を引き起こすことがあります。

④ 感染症や寄生虫

  • ウイルス感染:パルボウイルスやジステンパーウイルスなど、命に関わる感染症が原因となることがあります。
  • 寄生虫:回虫や鉤虫が慢性的な下痢を引き起こします。
  • 原虫(コクシジウム、ジアルジアなど):特に若齢犬で問題となり、慢性的な下痢や体重減少を伴うことがあります。

⑤ 病気や全身的な問題

  • 消化器疾患:胃腸炎や腸閉塞などが原因となることがあります。
  • 免疫力の低下:未発達な免疫系により感染症にかかりやすくなります。


2. 下痢が起きたときに知っておきたい知識

小腸性下痢と大腸性下痢の違い

便の性状を観察することで、下痢の原因部位を推測することができます。

  • 小腸性下痢:便が泥状で緩く、一回の排便量が多いのが特徴です。原因は消化不良、寄生虫、感染症など。
  • 大腸性下痢:一回の排便量は少なく、排便回数が増えるのが特徴です。血液や粘液が混ざることがあり、排便時に「しぶり」が見られることもあります。原因は大腸の炎症や感染症など。


3. 危険な下痢のサイン

① 便の性状に関するサイン

  • 大量の血便:大腸や直腸の出血が疑われます。
  • 黒色便(タール便):胃や小腸での出血が考えられます。
  • 白色便:胆汁が分泌されていない可能性があります。
  • 水のような下痢:脱水を引き起こす危険性が高いです。

② 全身状態に関するサイン

  • 元気がない、ぐったりしている
  • 食欲不振や嘔吐を伴う
  • 脱水症状(皮膚をつまんでも戻らない、歯茎が乾燥している)


4. 子犬が下痢をしたときの対処法

① 観察する

  • 便の状態や排便回数を記録し、写真を撮っておくと診察時に役立ちます。
  • 可能であれば便を保存:清潔な容器やビニール袋に入れて動物病院に持参しましょう。

② 食事と水分補給の調整

  • 完全な絶食は推奨されていません。
    • 消化に優しい食べ物(例:茹でたささみや低脂肪の療法食)をごく少量ずつ与えましょう。
  • 水分補給も調整が必要です。
    • 一気に大量の水を飲ませず、少量ずつこまめに与えるようにしましょう。電解質入りの犬用補水液を活用するのもおすすめです。


5. 下痢を予防するために

  • 食事を徐々に切り替える
  • 適量を守る
  • 清潔な環境を保つ
  • 定期的な健康診断を受ける


まとめ

子犬の下痢は一過性のものから命に関わるものまで幅広い原因があります。

危険なサインが見られた場合は速やかに動物病院を受診してください。




南大和どうぶつ病院は犬猫を対象とした動物病院です。
病院は神奈川県大和市の小田急江ノ島線高座渋谷駅から徒歩7分にあります。
綾瀬市、藤沢市、横浜市からのアクセスも良好で、駐車場を4台完備しています。
腎泌尿器科、循環器科の診療に力を入れていて、水素治療にも取り組んでいます。

当院は予約優先性診療となっていますので、ご予約はこちらからお願いいたします。

カテゴリ:その他疾患

- Powered by PHP工房 -