カテゴリ:水素治療

水素治療編8<慢性腎臓病の治療に水素という選択肢を>

2024/06/16
血液供給が滞った部位の細胞には栄養が届きにくくなり、活性酸素が生じ、細胞が傷害され機能を失っていきます。

慢性腎臓病では、
・尿を濾過する糸球体の硬化
・濾過された原尿を集めて尿の濃縮などをする尿細管の萎縮
・糸球体と尿細管のあいだにある間質細胞の線維化
・血管の肥厚や狭窄、血管内皮細胞の異常増殖による血流不全
が起きることがわかっています。

もう少し簡単に言うと、腎臓にある細胞が硬くなったり萎縮したりして機能できない細胞に変わり、血流不全が起きる、ということです。

動物種によってどの細胞から変化が起きるか異なる傾向があり、
犬は糸球体
猫は間質細胞
から変化が起き、最終的には全体的に細胞が機能を失っていきます。

水素は体内に取り込まれると抹消の毛細血管の血流を増加させ、
細胞内のミトコンドリアでエネルギーを生み出すことにも利用されます。

ということは、
水素は理論上、腎臓の組織内の血流がよくなり、細胞に血液中の栄養が届きやすくなったり、細胞でエネルギーの産生に活用される可能性が高いので、
慢性腎臓病の進行抑制に効果が期待できるのではないか、、、と思いますよね。

実際にラットを用いた報告では、水素を持続的に発生するシリコン製剤を飼料に添加して給餌することで腎機能が保持されることが示されています。(Ryoichi Imamura Biochem Biophys Res Commun2020 Dec 17;533(4):698-703.
ので、上記の推測はそれほど見当違いではなさそうですよね。

※あくまでラットのデータなのでほかの動物で同じような反応が起こるかどうかは保証できませんが。

さすがに慢性腎臓病がかなり進行して細胞が機能不全となり、ほとんどが線維細胞などに置き換わっている状態では水素による効果は期待しにくいですが、
慢性腎臓病の初期の段階から水素を活用することで病気の進行を遅らせることができる可能性があると考えています。

ヒトで降圧剤の投与中の患者さんで水素の吸入療法実施後に頭痛がみられたという報告はあるようですが、
水素自体は体内に取り込んでも活性酸素と結合して水になるだけなので重篤な副作用の報告はない治療法です。

飼い主様のライフスタイルと動物の性格・状態に合わせて水素吸入、サプリメント、水素水などをご提案しています。

興味がある方は一度診察にご来院ください。






南大和どうぶつ病院は犬猫を対象とした動物病院です。
病院は神奈川県大和市の小田急江ノ島線高座渋谷駅から徒歩7分にあります。
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腎泌尿器科、循環器科の診療に力を入れていて、水素治療にも取り組んでいます。

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