カテゴリ:その他疾患
その他1 <抗生剤の使い方>
2020/10/25
ケガをしたときや、皮膚炎、外耳炎、膀胱炎になったときに処方されることの多い薬の一つが抗生剤だと思います。
当院でもやはり抗生剤の出番は多いです。
ただ、決して漫然と使うことはありません。
抗生剤は細菌を殺す、または最近の増殖を抑える薬です。
ターゲットになるのは細菌で、
マラセチアや糸状菌などのいわゆる「カビ」である真菌、
コロナウイルスやヘルペスウイルス、猫エイズウイルスなどのウイルス、
マダニやノミ、腸の中に寄生する回虫などの外部・内部寄生虫
には効果はありません。
子猫などのくしゃみや目ヤニが出る「猫風邪」の原因の多くは
ウイルスによるものなので理論的には抗生剤の適用ではないですが、
なぜか抗生剤が効く、
むしろ抗生剤を使わないと症状が慢性化しやすいことがあるため、
原因のターゲットが細菌ではないときにも処方することがありますが、
当院では抗生剤の使い方にはかなり気を使っています。
その理由は、
- 抗生剤の不適切な使用により耐性菌を増やしてしまい、本当に困ったときに治療ができなくなってしまうこと
- 耐性菌は飼主様にもうつること
- 慢性的な感染を起こす背景には真の原因が潜んでいることが多いこと
が挙げられます。
3つ目の例は別のコラムでお話しますね。
人の医療の現場でも耐性菌は問題になっており、
獣医療での抗生剤の不適切な使用がその問題の一端になっていると聞いたことがあります。
これからの私たちの未来のために、当院ができることに真摯に向き合っていきたいと思いますので
ご理解いただければと思います。
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